小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア

医者の役割

小児科医はこどもの病気を治す医者ですが、こどもの病気が治ればよいというわけではありません。
僕が普段から心がけていることは、「効かない薬は処方しない」ことと「親御さんの不安をとる」ことです。
例えば抗生物質の使い方。
当たり前ですが、抗生物質は内服する必要がある場合にのみ処方します。風邪の診断で抗生物質を飲んではいけないのは当然のことです。必要ではないときに抗生物質を飲んでしまうと、本当に抗生物質で治さなければいけない病気になったときに効かないことがあります。
乳児期に中耳炎などで抗生物質を乱用すると、間違いなく抗生物質が効かない中耳炎になります。(個人的には難治性の中耳炎は鼓膜切開すればよいと思うのですが、それはそれで大変なようです。)
また、乳児期から抗生物質を飲んでいると、食物アレルギーの発症頻度が高くなってしまうという報告もあります。
「悪化しないように」「念のために」抗生物質を処方されていませんか?
お子さんが健やかに育つためには、親御さんも心身ともに健康であってほしいと思っています。
お子さんが病気になったとき、投薬が必要な病気なのかどうか、次はどのような状態になったら再来すべきかきちんと説明し、可能な限り親御さんの不安をとることを考えています。
乳幼児健診では、言葉の使い方に細心の注意を払っています。「ちょっと心配なんだけど大丈夫かな」というときに、そのままの言葉を使うのではなく、さりげなく再来を促し、次回受診の時にしっかりと確認するように心がけています。
医学は日進月歩です。
僕が医者になったころに当たり前だったことが、今では間違いだったということがたくさんあります。一人で医療を行っている開業医は、知識のアップデートの努力が欠かせません。最新の知識を得るために、毎年わざわざクリニックを閉めて学会参加するのはそのためです。その努力ができなくなったら、医者をやめなければならないと考えています。
お子さんのことで心配なことがあったら、どんな些細なことでも、やまだこどもクリニックまでご相談ください。
医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック
院長 山田慎一
https://www.yamadakodomo-clinic.com/
※2020年12月25日掲載
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

第38回 医者の役割
医者の役割

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第36回 腹痛の漢方